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2025/12/26

新商品や新規事業の立ち上げでは、開発や販売準備に意識が向きやすく、「知的財産」の確認は後回しにされがちです。しかし、知的財産への配慮を欠いたまま事業を進めると、他社の権利侵害によって販売停止や損害賠償といった重大なリスクに直面する可能性があります。
「知らなかった」では済まされないのが知的財産の世界です。
本記事では、中小・零細企業が新規ビジネスを安全かつ有利に進めるために、なぜ知的財産をチェックリストに組み込むべきなのかを、具体例を交えながら弁理士の視点でわかりやすく解説します。
大企業では、新規事業や新商品の立ち上げ時に、法務部門や知財部門が関与し、事前にリスクを洗い出す体制が整っています。一方で、中小企業や個人事業では、限られた資金や人員を「まずは売ること」に集中せざるを得ないのが実情です。
その結果、
商品名やロゴの調査
技術やデザインの権利関係の確認
といった知的財産のチェックが後回しになり、気づかないうちにリスクを抱えたまま事業をスタートしてしまうケースが少なくありません。
知的財産のトラブルは、決して大企業だけの問題ではありません。むしろ、チェック体制が十分でない中小企業ほど、リスクにさらされやすいと言えます。
例えば、
商品名は商標登録していたが、キャッチコピーが他社の商標権を侵害していた
オリジナルだと思っていた商品デザインが、既存の意匠と類似していた
といったケースがあります。
これらは、「自社の権利を取ること」ばかりに意識が向き、「他社の権利を侵害していないか」という視点が抜け落ちていたことが原因です。
知的財産権に限らず、法律の世界では「知らなかった」という理由は原則として通用しません。
特に知的財産では、自社の事業が他人の権利を侵害していないかを確認する責任は、事業者自身にあります。
問題なのは、
学校で体系的に学ぶ機会がない
日常業務の中で自然に身につく知識でもない
という点です。専門部署を持たない中小企業が、独力で万全なチェック体制を構築するのは現実的ではありません。
だからこそ、新商品・新サービスを世に出す前に、商標・特許・意匠などの観点から、最低限の確認を行うことが重要になります。
知的財産の確認は、「トラブルを避けるため」だけのものではありません。
自社の製品やサービスを守り、事業を有利に進めるための武器にもなります。
例えば、新規事業のチェックリストに、
他社の権利を侵害していないか
守るべき技術・デザイン・ブランドは何か
特許・商標・意匠・ノウハウのどれで守るべきか
といった項目を組み込むことで、
「守り」と「攻め」の両面を意識した事業判断が可能になります。
チェックリスト化することで、属人的な判断を減らし、事業拡大時にも同じ基準で検討できる点も大きなメリットです。
自社だけで気づけることには限界があるため、知的財産の専門家である弁理士と日頃から繋がりを持っておくことが大切です。高額な顧問契約を結ばなくても、気軽に相談できる関係を築いておくだけで、何かあった時に「これ、権利関係ってどうなっていますか?」といった会話が自然にできるようになります。
信頼できる弁理士を見つけ、知的財産の項目をしっかりと組み込んだチェックリストに基づいて、新しいビジネスや商品開発を進めることが、事業を有利に進める上で非常に大きなプラスとなるでしょう。