今回は、エルメスのバーキンの類似品を販売していた業者が、バーキンの立体商標に基づいて訴えられて損害賠償を求められた判決について紹介します😊
販売されていたバッグには、エルメスの文字やロゴは一切ありませんでしたが、形状が似ているとして、商標権侵害となりました。
目次
バーキン立体商標侵害事件(令和3年(ワ)第22287号)
エルメスのバッグ「バーキン」や「ケリー」の形状に似たバッグを販売していた会社が、エルメスの商標権に基づき、約560万円の支払いを命じる判決が出ました。
販売されていた類似品には、エルメスの文字やロゴなどはありませんでした。
それなのに、なぜ、商標権侵害となったのでしょうか?
エルメスの立体商標(商標登録第5438059号)
エルメスは、バッグの形状そのものの商標(立体商標)の登録商標を有しています。
立体商標は、バッグの形そのものが権利で、類似の形状も権利範囲に含まれます。
被告のバッグ
被告のバッグはエルメスのバーキンと比べると、細部では異なる点が多数あります。
バッグには、エルメスの文字やロゴなどはありません。
損害額
類似品の販売額は、1万5000円程度(仕入れ価格は2000円程度)で、本物のバーキンが100万円を超えることと比べると大きな違いがあります。
販売数量は400個程度のため、515万円程度の利益を得ていたことになります。
そこに、商標の貢献度8割で乗じて、弁護士費用を加算し、560万円という額になりました。
今回は、本物のバーキンの価格を基準にせず、あくまで類似品の利益の額を元に損害額が認定されました。
まとめ
立体商標は、商品の形状そのものを保護できる!
独創的な商品形状や、有名になった商品形状は立体商標を出願すると効果的!
一方、有名な商品の類似品を販売しようとする場合には、商標権、意匠権、不正競争防止法に注意が必要!