\ソフトウェアの重要判決/ドワンゴ vs FC2 特許訴訟判決!

ドワンゴの特許をFC2が侵害しているという判決がありました。
この特許は、ニコニコ動画のコメントの表示に関する特許です。
FC2は、アメリカの会社で、アメリカにサーバが設置されているため、日本の特許を侵害しているかどうかが争点となっていました。
今後の特許の考え方に影響を与える判決となりますので、ざっくりと簡単に解説します。

目次

はじめに

ドワンゴがFC2を特許侵害で訴えた訴訟で、地裁では負けていたが、高裁で逆転勝訴した。
今回の判決は、今後の特許の考え方に影響を与え得る判断がされたため、非常に重要なものになっています。
(今後の弁理士試験に出題されても良い内容です)

どういう特許?(特許第6526304号)

ニコニコ動画で最も大きな特徴である、コメントが映像上を右から左に流れて表示するコメント配信システムの特許

何が争われていた?

日本の特許は、日本国内で実施された行為に対してのみ、権利行使することができます(属地主義)。

FC2はアメリカの会社であり、サーバーもアメリカに設置されています。そのため、日本国内で実施したとは言えないため、これまでの考え方では、特許権を侵害したとはなりませんでした。

しかし、それでは、日本国内向けのサービスでも、外国法人が外国にサーバーを設置すれば、容易に侵害を回避できてしまいます。

裁判所の見解

①行為の具体的態様
②国内に存在する要素が発明において果たす機能・役割
③システムの利用により発明の効果が得られる場所
④システムの利用が特許権者の経済的利益に与える影響等
を総合考慮して、我が国の特許法上の「生産」に該当するかどうかを判断すべき

今回のケースでは…

①本件において国外サーバからのファイルの送信と国内のユーザ端末による受信は一体であるから、ファイル送受信行為が国内で行われたものと評価でき、
②国内のユーザ端末が発明の主要な機能を果たしており、
③発明の効果が国内で発現しており、
④国内におけるシステムの利用が当社の経済的利益に影響を及ぼしうるもの
だと認定し、FC2による特許権侵害を肯定しました。

まとめ

特にシステムの特許では、世界中のどこでも実施ができ、国境という概念が意味をなしていません。 今回の判決では、サーバーを外国に設置したから特許を回避できる、ということにはならず、日本国内で発明の効果が発揮している状況で、特許権者への影響を考慮をすれば、特許権の侵害になり得る、ということです。

今後の特許侵害の判断に非常に大きな影響を与える判決です!

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