今回は、作品の購入者が勝手に作品を改変してしまい、著作権を侵害した事例を紹介します。
作品の作者には死ぬまで同一性保持権(著作者人格権)という権利を有しています。
たとえ作品の所有者であっても、作者の許可なく作品に手を加えると、この同一性保持権を侵害することになります。
気をつけるようにしましょう!
目次
ネコのオブジェ事件
渋谷区の複合施設に展示されていたネコのオブジェが、所有者の手によって、作者の無断でデザインが変更されました。
作者はSNSで知り、所有者に抗議しました。
所有権≠著作権
作品には、著作権が存在します。
契約で著作権の譲渡を受けない限り、たとえ、作品の所有者であっても、著作権を有している訳ではありません。
同一性保持権
購入者であっても、作品を勝手に改変するのはNG
著作権の中には、著作者人格権があり、さらにその中には、同一性保持権があります。
同一性保持権というのは、作品を作者の許可無く勝手に改変されない権利です。
この著作者人格権は、たとえ著作権を譲渡しても移転することができない権利で、作者が生存している限りずっと続きます。
作者の名誉を守るための権利です。
そのため、たとえ作品を購入したとしても、勝手に手を加えることはできません。
改変したいのであれば、作者の許可を!
では、作品に手を加えたい場合、以下の2つの方法があります。
- 事前に著作者人格権を行使しない旨の契約を締結する
- 作者の許可を得る
まとめ
作品の購入者であっても無断改変はNG
- 同一性保持権という権利が作者にある
- 同一性保持権(著作者人格権の中の一つ)は作者が死ぬまで存在する
- 改変したいのであれば作者の許可が必要
配慮が大事!